REPORT

2025.10.22

拍手から始まった私の音楽

#東北ユースオーケストラを続けたい

このレポートを読んでくださりありがとうございます。
東北ユースオーケストラはみなさまのご支援によって成り立っております。 活動に対する寄付・募金については随時受け付けておりますので、ご協力の程よろしくお願いいたします。


はじめまして、こんにちは。
岩手県出身、7期生バイオリンパート、高校1年生の駒井心響です。

私が初めて「音楽って楽しい」と感じたのは、小1の時に入った地元のジュニアオーケストラの最初のステージで、お客さんから拍手をもらったときです。
きらきら星を弾いたとき、音が出て、それが曲になって、自分がそれを弾いていることがとにかく嬉しかったのを覚えています。
バイオリンを選んだ理由は、ジュニアオーケストラのほとんどがバイオリンだったことと、チェロに憧れはあったけれど小さくて持ち歩けなかったからです。
小さいころから音楽はいつも生活のそばにありました。

私は震災のとき、まだ1歳になったばかりで、歩き始めたころでした。
「なんか揺れてるし雪だるま崩れた」くらいしか覚えていません。
でも、東北ユースに参加してから、震災を覚えている仲間の中で、記憶のない自分がいていいのかと悩んだこともありました。
それでも、記憶があろうとなかろうと、その出来事を知り、これからに生かすことが大事なんだと思っています。
OBのダンディーが震災のとき「一番大事なものはなんだと思う?」と聞いてきて、私は「水」と答えたけれど、「電気」と返されて、実際に経験した人と知ってるだけの人では違うんだな思ったことが印象に残っています。

東北ユースに入ったきっかけは、母がチラシを見つけたことでした。
ジュニアオケの仲間もたくさん入っていたので、自然な流れで参加しました。
でも最初の顔合わせは、当時小6だったこともあり周りが年上の人ばかりで、心細くて不安でした。
初めての合奏では金管や木管の音の迫力に驚いて、ついていくのに精一杯だったのを覚えています。
そして初めての演奏会がサントリーホール。バイオリンを習ってる先生から「すごいことだよ」と言われて、さらに坂本龍一監督と共演できたことで、「このオーケストラって本当に特別なんだ」と実感しました。

私にとって東北ユースオーケストラは「居場所」であり「宝物」です。
ここでは年齢も性別も関係なく全員の距離が近く、大学生も、事務局の方も、指揮者の柳澤さんも、みんなが一人の仲間のように話せる場所です。
ここで出会った人たちが、私にとって本当に大切なものです。

活動を通して、演奏技術はもちろん上がりました。
でも一番大きかったのは、「自分はソロではなく、みんなと合奏する方が好きだ」と気づけたことです。
きっかけは7期で演奏した第九。初めての長い曲で、合唱付きの迫力に圧倒されました。
そして、一人が欠けたら同じ音にはならないということを強く感じました。
人数が多いほど息を合わせるのは難しいけれど、少しずつ音が溶け合っていく過程が好きです。
毎年、前期の曲を初合奏で弾いたとき、音が変わっていることに少し寂しさも感じます。

町中で演奏したとき、お客さんの顔が近くて、音楽を聴きながら笑ってくれている表情がよく見えて、「音楽で人はこんなに笑顔になれるんだ」と思いました。
特に、小さい子が一番前で楽しそうに踊っていたのを見て、弾いている私まで嬉しくなったのを覚えています。
これからも音楽と関わっていきたいです。
演奏はもちろん、いつかは作曲にも挑戦して、音楽でたくさんの人を笑顔にできたらと思っています。

ヴァイオリンパート 駒井心響


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