【ウラ】有志演奏会IN北陸の裏側公開!
2025年1月5日(日)に富山県氷見市の氷見市芸術文化館で、「能登半島地震・豪雨 復興支援 有志演奏会IN北陸」を開催しました。
有志演奏会とは、2011年に起きた東日本大震災における被災三県の中でも最も被害の大きかった沿岸部を中心に開催する演奏会のことで、被災地の皆様に寄り添い、被災地の皆様に音楽とともに笑顔をお届けするものです。 TYOの団員が自分たちで企画、交渉、開催しており、2016年~現在に至るまで、岩手県、宮城県、福島県、東京都の各地で行ってまいりました。
今回は、2024年1月に発生した能登半島地震、同年9月に発生した能登半島豪雨の復興支援として、北陸初の有志演奏会を開くことにしました。
このレポートでは、TYOキャプテンの海津洸太が「有志演奏会IN北陸」を開催するまでの様々なストーリーをご紹介します。
2024年1月1日 午後4時10分 能登半島地震発生。
このとき僕は、家族とともに栃木県に買い物に行っていました。
急に周りにいた人すべての携帯電話で緊急地震速報がなり大きな揺れを感じました。
これはただ事ではないと、情報収集をはじめ、北陸で地震が起きたことを把握。
9名のTYO団員の家族・友人も能登半島地震により被災していることが後にわかります。
その後、TYOでは、なにか支援ができないものかという話が進みます。
まず僕たちは何ができるのかを考えました。
その時に団員からは、
音楽を通して勇気着けることやシンプルに募金活動。先の話にはなるが、熊本で演奏した時のように現地で演奏会をする。募金活動。応援メッセージの動画やボードの作成。石川県の学生オケとの共演。チャリティーコンサート。熊本の震災の時みたいに、石川の音楽をやっている子どもたちと一緒に弾く場を設ける。どこかで演奏して(できれば人通りがある程度ある所)、街頭募金をし、それを寄付する。
など、たくさんの意見が上がりました。
もちろん、地震発生直後で心の復興どころの話でない状況。
まずは、TYOのHPでメッセージと楽器修理のURLを公開。そして、微力ながら金銭的な支援をする方向で話が進みます。
2024年2月 有志演奏会IN北陸
かねてより企画していた「有志演奏会IN気仙沼」を開催しました。
その様子は、こちらから確認することができますので、ぜひこの様子もご覧ください。
実は、この有志演奏会IN気仙沼に合わせて僕達は募金を募っていました。
不器用ながら自作の募金箱。
団員の家族の協力のもと、募金を募ります。
そんな中、2011年当時被災した気仙沼の方々が”3.11のときの恩返しをしたい”と言いながら募金をするといった光景を目撃します。
そこで僕は感じました。
TYOはこれまでずっと、支援される側にいたけど、本当にそれでいいんだろうか。。。
TYOはなんのためにあるのだろうか。
それまで、坂本龍一監督が亡くなってからの初のキャプテンで、どうすればいいのか方向性に決め悩んでいた僕の中で答えが出ました。
TYOは支援される側から、支援する側になる時がきた。今がその時だ。
それが今の、”支えられるから、支えるへ。”というTYOのスローガンのもとになりました。
そして、最終的に有志演奏会IN気仙沼では約1時間の演奏会で46,400円の募金を集めることに成功。
もちろん、大きな金額ではないものの被災地と被災地がつながった瞬間でした。
2024年3月 定期演奏会
「坂本龍一監督追悼 東北ユースオーケストラ演奏会 2024」が開催されます。
第9期では、
・盛岡市民文化ホール(岩手県)
・東京エレクトロンホール宮城(宮城県)
・けんしん郡山文化センター(福島県)
・サントリーホール(東京都)
でツアーを行いました。
その時の様子もこちらからご覧ください。
その中でも、サントリーホールでの本番は、今回「有志演奏会IN北陸」を行った氷見市芸術文化館でライブビューイングを行いました。
Reconnect-能登半島と東北をつなぐ(令和6年能登半島地震を受けて) 坂本龍一監督追悼 東北ユースオーケストラ演奏会2024 ライブビューイング in 氷見
その時、”サンデーひみ”さんに取り上げてもらった動画です。
(実は、僕の名前が間違って放送されていたんです笑、 間違えられやすいんですよね。)
この動画の中に登場していた、氷見市芸術文化館の総合プロデューサーの河出洋一さんはライブビューイングをするにあたり大変お世話になりました。「有志演奏会IN北陸」でも大変お世話になります。
無料ご招待の800人のホールに1,500人の応募があったそうで、富山県氷見市にお住まいの方のみならず、石川県の能登半島地域からも多数ご来場いただけました。
そして、演奏会終了後に氷見市芸術文化館よりライブビューイングのアンケートの結果が届きます。
・我が家も5月中頃から修理に入ります。頑張る力をいただきました。ありがとう。
・感動しました。涙が出ました。ありがとうございました。
・病みが和らぎ少し元気を取り戻せたと思います。本当にありがとうございます。
・みなつながっていると感じた
といったように、たくさんのお褒めのメッセージを頂けました。
ライブビューイングを見に来てくださった北陸の皆様、ありがとうございました。
しかし、その中でもやはり目立っていたのは、
「生で演奏会を聴いてみたい」
という声でした。
ここから、僕たちはどうにかして”生”の演奏を北陸に届けることができないか、考えることになります。
2024年5月 北陸に視察
2024年5月11-12日に僕は有志演奏係の福澄茉音くんとともに北陸に行くことに。
まずは、ライブビューイングでお世話になった氷見市芸術文化館にご挨拶するために氷見に向かいました。このとき僕は初めての氷見でした。氷見は海がとっても綺麗で自然も豊か、大きい山も見えるので東北とはまた違った雰囲気を出していました。
そんなきれいな海を眺めいたら、だんだん雲行きが怪しくなってきました。
だんだん道路がぐねぐねでがたがたで、通行止めになっているところがちらほら。
ちょっとまちなかを通ってみれば、家屋の窓は割れ瓦が落ちてしまったのかブルーシートが屋根にかけられています。ベコベコに崩れ潰れてしまった建物も少なくなかったです。
僕は東日本大震災のとき、小学1年生でしたが、その当時のことはよく覚えています。
東日本大震災のときに自分自身が体験した様子をそのまま見ているようでした。
そうこうしているうちに、氷見市芸術文化館に到着しました。
到着すると、氷見市芸術文化館 事業部 主事の伊藤雅美さんと総合プロデューサー・事業部長の河出洋一さんがお出迎えしてくださいました。そして、打ち合わせ開始です。
その際、河出さんは能登半島地震から半年くらい経った今の気持ちを伝えてくださりました。
河出さん「能登半島から半年経って、ここらへんの地域以外ではもう能登半島地震についてあんまり報道されることがなくなって、もう忘れられてる気がするんだよね。東京とか出張で行くと、「能登半島地震?いつ起きたんだっけ?」なんていわれることも、、、まだまだ復興したとは言えないこんな現状なのにね、、、」
確かにこの頃には、被災情報も落ち着いており東北では平凡な日常が送られていました。
しかし、北陸では依然として復興はまだまだ進んでいません。
既に震災が風化しようとしていたのを感じました。
そして、ここから「有志演奏会IN北陸」の企画がはじまります。
・北陸の皆さんの心の復興のために
・震災の記憶と教訓を伝えるために
・北陸のみなさんに”生”の演奏をお届けするために
2024年6月 NHKの記事に掲載
9期でお世話になった、NHKさんに北陸に向けたメッセージを掲載していただきました。
「つらい経験だけじゃなく、必ずすばらしい出会いもある」 東北ユースオーケストラ
2024年9月「OTOBUTAI 2024 HORYUJI」出演と指揮者の高井さんとの出会い
僕達TYOは「OTOBUTAI 2024 HORYUJI」に参加しました。
そこで、有志演奏会IN北陸で指揮者をしていただいた、高井優希さんに出会います。
このとき、有志演奏会IN北陸の構想は決まっていたものの楽曲や指揮者などあらゆることが決められていませんでした。
そんなところで、僕は高井さん出会い、
海津「1月5日に北陸で演奏会をするんですが、高井さん、振っていただけないですか?」
高井さん「スケジュール空いてるよ、OK!」
こうして、高井さんに指揮を振ってもらえることに。
そして、楽曲も決まります。
坂本龍一作品
・Aqua
・Kizuna World
・Merry Christmas Mr.Lawrence
・八重の桜 メインテーマ
・The Last Emperor
・Behind the Mask
東日本大震災 チャリティーソング
・花は咲く
以上7曲に決定。
2024年10〜12月 有志演奏会IN北陸に向けた準備・練習
10〜12月は有志演奏会IN北陸に向け練習です。
有志演奏会IN北陸に出たいとたくさんの団員が手を挙げてくれました。
ただ、今回は有志演奏で、しかも北陸。全員を連れて行くことはできませんでした。
最終的に団員から、
飯野美釉、石川慧花、市川小幌、市川真名、大田継美、大槻光理、梶井かりん、加藤桃百、菊田歩佳、佐藤洸聖、佐藤瑞季、佐藤友咲、髙橋はな、田口陽大、丹治夏帆、長田悠希、名越乙加、藤原彩希、溝井敬大、山下琉音、遊佐明香莉、我妻紅愛が参加
そしてOBOGから、
渡邉真浩さん、渡邊理沙子さん、日比野慎さんが参加
となりました。
このタイミングで、有志演奏会IN北陸のフライヤーが完成します。
実はこのフライヤーも全部手作りなんです。
氷見市芸術文化館の伊藤さんに確認していただきながら作成しました。
ゲストでムジカグラート氷見さんが出演してくださるという話もこのタイミングで決定します。
当日初めてムジカさんの演奏を聞きましたが、ムジカさんの若くて力強い音色に心を奪われてしまいました。
また、トークコーナーのメンバーについてもこのタイミングで決定します。
・海津洸太(東北ユースオーケストラ)
・大田継美(東北ユースオーケストラ)
・森姫愛乃さん(二十歳の集い)
・布野 杏さん(二十歳の集い)
・井上拓己さん(西條中 ハンドボール部 部長)
・林 洋子さん(防災士)
右から2番目にいらっしゃる林洋子さんが持っているのは、当日に来場してくださった方に渡すプログラム。
これも僕の手作りです。
裏面にはTYO団員から北陸の皆様へのメッセージが書かれています。
このようにして、有志演奏会IN北陸を開催することができました。
前日、当日の様子はFl.石川慧花さんの団員レポートをご確認ください!
2025年1月4日 有志演奏会IN北陸 前日リハーサル
東北ユースオーケストラでは、団員が主体で開催する有志演奏会を不定期で行っており、有志演奏会サポーターズを募集しております。
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