REPORT

2022.10.30

スペシャルゲストということで、「MAROさん」こと篠崎史紀さんに来ていただきました。

福島の木々の彩り鮮やかな10月末。

本日の練習は、飯島さんの「今日の練習に来てない人は、すごい損だね!」 の一言からスタートしました。


スペシャルゲストということで、「MAROさん」こと篠崎史紀さんに来ていただきました。

「オーケストラとは何ぞや?ということも含めて、普段とは違う練習になるので、今日のすべてを吸収してほしいです。」 という飯島さんからのご紹介があるやいなや、

おはよう!

音を出しながら、進めていこう! じゃあ頭から!


楽団員から、「トランペットのファーストが今日はいません。。」 という報告にも、

いいよ、吹いちゃえ! 吹いちゃえ! こんな機会なかなかないんだから 笑


と、とてもおおらかでエネルギッシュなMAROさんのご指導が始まりました。


楽団員の理解を促すための表現や引用も絶妙で印象に残りました。



3という数字がとても大事で、そうだねぇ、

父と子と聖霊。2度あることは3度ある。仏の顔も3度。キリストが生まれた時に来た博士が3人。シヴァ神の目は3つ。現在・過去・未来。

 この「3」 というのはとても大事で、3つめで解決するか、もしくは発展させるか、何かをやらなきゃならない。

なので、ここの3つめの、ヤタタターンに入る前に、もう一度気持ちを入れなおしてくれるかな!?


辞書に書いてあるような意味で理解しちゃだめだよ。

今日もう疲れた、だり~! 進みたいんだけど、進まない状態がほしいんだよね。マーチングなんだけど、引きずっていっている感じで弾いていってちょうだい。

さぁ、いこうか!



この二分音符は、そうねぇ、お母さんから「はやく片付けなさい!」 と言われて、ちょっとため息つく感じってあるでしょ、あれ。



ここにフォルテ3つがいるでしょ?このフォルテ3つにむけて、この二分音符をちょっとこだわってみようか。 カレーについてる福神漬けくらいな感じで。 なかったら寂しいやつ 笑



ここは、お昼休憩の後からにしよう。そうすれば眠い時に、眠いのを弾かないで済むから 笑


ユーモアと慈愛に満ちた言葉で、午前中を駆け抜けました。

そして終始、MAROさんのご指導の中で印象深かったのが、「勇気づけ」 の数々です。


トランペット、完璧です!



何も心配しなくていいよ。 3か月後には弾けるようになってるから!


一番小さい子は誰かな? 小学校4年生? 小学校5年生?

この細かい音符は見なかったことにしよう。そんなこと言っていいのかって? N響はちゃんと弾いているけどね 笑

何が大事かがわかっていればいいよ。



午後の質問タイムのひと時では、「東北ユースオーケストラの楽団員の世代に聴いてほしいクラシックは?」 という問いに、

マーラーの時代というのは、世界が大きく変わった時代。 人間が変わった時代。

ちなみに、人間が大きく変わった時代というのは二つ。 ルネサンスとアールヌーヴォー。 肖像画が写真になったり、馬車が汽車になったり。手紙を運んでいたのが電話になったり。ロウソクの灯りがランプになったするような大きな変革。

大きく変化したものは、音楽にも表れてくる。 そのため、音楽を勉強していく上でも複雑怪奇なものもけっこうある。 そこに興味を持って聴くのもいいんだけど、「その前」 を知らなかったらなかなか理解できない。 到達できない。

だから、マーラーを演奏するにあたっても、ロマン派あたりを聴いておくのはいいと思います。 如何でしょうか?

と丁寧にこたえて下さいました。

MAROさんはヴァイオリンもお持ちいただいており、とても贅沢なご指導をいただけたのですが、楽団員からの質問ならぬ「生演奏が聴きたいです!」 とのリクエストが。。

ここでの演奏曲。なぜそれを選んで聴かせて下さったのか。

そしてなぜ、「だから、選挙に行きましょう!」 という言葉で締めらたのか。

それは、この場にいた人だけのスペシャルということで。。


MAROさんのご著書『MAROの“偏愛”名曲案内 ~フォースと共に』(音楽之友社)の「師の教え、両親の教育法」 の中で、

「「(小倉弁で)教育はね、教えるんじゃなくて育てんと! その子の個性を育てんと!」 「長所が短所を包んだ時、その短所は個性になるんよ!」(中略)この一言は忘れられないものになっています。(中略)両親の息子として生まれ、育ててもらったことすべてが私の誇りです。」

との記述があるのですが、本日の東北ユースオーケストラの練習会はまさにそのような場であると感じられました。

冒頭のMAROさんからの、「3という数字がとても大事」 になぞらえるならば、

【とにかくエネルギッシュに!】【絶妙な言い回しで引き込む!】そして【間髪入れずに褒める!】

という強烈な3つの要素を体感させていただいた6時間でした。