【12月の合同練習会のレポートです!】
12月22日(日)に12月の合同練習会を行いました。
午前中は作曲家の藤倉大さん・コントラバス奏者の佐藤さんのワークショップ、午後から坂本龍一代表・監督が練習に参加され、協賛社の皆様も練習に応援に来てくださいました。
また、テレビや雑誌の取材や撮影スタッフの方もいらしており、1年で最もゲストが多かった練習会と言っても過言ではありません。
そんな12月の練習会の様子を、このレポートではトピックごとに分けてご報告したいと思います。
【藤倉大さん・佐藤洋嗣さんのワークショップ】
この日の午前中は、作曲家の藤倉大さん(https://www.daifujikura.com/)と、コントラバス奏者の佐藤洋嗣さんによるワークショップでした。
世界で活躍する音楽家から直接学びを得られるとても貴重な機会です。
◇イメージを「音」で表現
藤倉さんから、とある曲の"楽譜"が配られました。
昔の音新しい音借りものの音ブルー
~声のための~
昔の音― ずっと昔から知っている音
新しい音― あなたが今までに出したことのない音
借りものの音ー 誰か他の人から借りた音
ブルーな音ー あなたにとってブルーな音
心にじっと耳を澄まし、声に出して表現する音を探しなさい。
約5分間の枠の中で、それぞれ1回から3回、昔の音、新しい音、借りものの音、ブルーな音という、4種類の音を発しなさい。
そこにいる全員や全てに耳を澄ますことで、自分のペースを保ちなさい。それぞれの音のために時間を取りなさい。
他の人の音のすぐ前、すぐ後、あるいは一緒に、自分の音を発しなさい。この曲は、全員が各自の4種類の音全てを1回から3回使ったときに終了します。
1994
この指示をもとに、それぞれがイメージする音を出してみます。
音程もそれぞれ思い思いに。
少し怖いような、不思議な響きが鳴っていました。
◇特殊奏法
クラシックでは使われないような奏法で、音をだしてみようということで…
お手本として、コントラバス奏者・佐藤さんが圧巻の特殊奏法を見せてくださいました。
ジャズ風のリズムで、弦を激しく叩くような奏法です。
他にも、コントラバスの面白い奏法を教えていただきました。
コントラバスの駒よりも下の部分を、鳴らしてみます。
皆でトライ。
また、弓のスクリュー(弦を張るねじの部分)で弦を細かく叩くと、不思議な音が出るんです。
説明が難しいのですが、金属味があり、余韻が多く、電磁波音のような響きでした。
◇団員の作曲作品を発表!
音のイメージや特殊奏法について、アイデアが膨らんできたところで、後半は団員達がそれぞれ作曲に挑戦。
直ぐに譜面を起こし始める人、楽器の音の出し方を試しながら考える人、近くの団員と相談する人、
…と取り組み方は様々です。
そして、何人かの作品を皆の前で発表しました!
◇コントラバスパートの作品
床に置いたコントラバスの表板に1人が耳をつけ、複数の奏者が弦を弾いたり板を叩いたりと、楽器で自由に”遊び”ます。
鑑賞者が地面に這っているような不思議な光景になりますが、耳をつけている人だけが聴くことができる、たった1人の鑑賞者のための作品です。
「私も聴いてみたい!」と、他の団員も「鑑賞者側」にトライ。
そして佐藤さん、藤倉さんもコントラバスに耳を付けて聴かれていました。
◇フルートデュオの作品
フルート2人で、ビスビリャンド・トリル(普通の運指では使わないキーを開閉し、同じ音でも微妙に異なる音色を出すトリル)をしながら音を鳴らします。
鳥が鳴くような、民族楽器のような、不思議な響きの作品。
藤倉さんからは「僕も個人的にそういう効果が好きで曲に使ったりする。もっと人数を増やして、フルートパート皆でやっても面白いと思う」とコメントがありました。
◇コントラバス橋本さんの作品
先ほど習得した特殊奏法を活用し、弓のスクリュー部分をつかって弦を軽く叩きます。
楽譜の書き方も、音符ではなく言葉が中心です。
◇ホルンパートの作品
ホルンのミュートを、自由なリズムでたたいたり、振ったり。
ミュートの軽い打音の中に、紐がカチャカチャ鳴る音が混ざり、かわいらしい作品になりました。
曲の最後は1人が合図を出し、皆で息を合わせて終わり…のはずたったのですが、少し失敗して2回目もトライしていました。
◇パーカッション塘くんの作品
「楽譜にはできていないですが、即興的になら…」と控えめな感じで発表スタートしましたが、スネアドラムを使って熱演を見せてくれた、Perc塘くん。
左手グーで逆向きに握ったスティックをドラムの面に突き立てて、そのスティックを逆のスティックで叩いたり、握った手を上から下にスライドさせてスライドロールのような効果を出したり。
最後はクレッシェンドしてffで終了。
圧巻のパフォーマンスに団員たちからも「お~」と自然と歓声があがっていました。
◇チューバ東館くんの作品
トロンボーン江見くんのために作ったという作品。
トロンボーンの管を一部抜いて、マーラーの有名な旋律を吹きます。普通に吹くときより、管を抜くとくぐもったような響きに。
藤倉さんのガイドで「それ、ゆっくりグリッサンドするとどうなる?f(フォルテ)でやるとどうなる?スフォルツァンドでやるとどうなる?」など、いろいろな音色を試してみていました。
◇チェロ阿部君の作品
Vc阿部くんの作品を、コントラバスパートがみんなで演奏。
ワークショップ前半で教わった特殊奏法を取り入れながら、演奏者が2人から、4人、6人と、だんだん人数が増えていきます。
最後の2人は、ランダムにバルトークピッチカート。
◇ヴィオラ鈴木祥子さんの作品
ヘアピンでヴィオラの弦を弾いたり、弓で弾いたり、ピッチカートをしたりと様々な奏法で4人の人が違うリズムを奏でます。
「みんなで同じリズムをやってみても面白いかも!」と藤倉さんからアドバイス。
◇コントラバス渡邉晴香さんの作品
最後に発表したのは、オーケストラ全員で演奏する作品。
楽器で音を出しても、歌ってもよいし、何も音を出さなくてもよいが、1~5のイメージで順番に音を出していきます。音の移り変わるタイミングも自由です。
1.生まれて最初に聞いた音
2.怒
3.悲
4.唯一
5.これから
音の変化を見て、今がだいたい何番なのかを渡邉さんが指で合図します。
「1」では金管楽器がマウスピースで赤ちゃんの産声のような音を出していたり。
「2」では高い音、強い音が響いたりと、聴いている側にもイメージごとに異なる音色が伝わりました。
【久留島武彦文化賞】
ワークショップ終了後、
一般社団法人東北ユースオーケストラの代表理事をつとめてくださっているヤマハミュージックジャパンの押木正人社長から、先日レポートでもご報告した『久留島武彦文化賞』の受賞報告としてご挨拶を頂きました。
とても立派な盾も頂きました。ありがとうございました。
【午後は集合写真の撮影からスタート】
坂本龍一代表・監督も合流し、TYOのアーティスト写="アー写"の撮影です。
広告や印刷物・WEBなど様々な場面で使用する予定です。(仕上がった写真は、今後のお楽しみに…)
【坂本龍一代表・監督との練習】
午後は、いよいよ3日後に迫った熊本城ホール開業記念公演の曲を練習。
坂本監督も、ピアノや指揮で演奏に参加しました。
団員達だけの曲も、近くで監督が見守ります。
【TYO活動紹介パネル】
JA共済様が作成してくださったTYOの2019年活動紹介パネルです。
練習会場である福島民報社のロイヤルホールに展示して頂きました。
定期演奏会のロビーでも展示される予定ですので、皆様も是非ご覧下さい!
他にも、団員達の寄せ書きボードもご準備頂きました。
それぞれ、気合いの一言を書き入れます。
また昼食休憩前の時間で、全国共済農業協同組合連合会 福島県本部 服部道夫本部長よりご挨拶も頂きました。ありがとうございました。
【OB・OGが応援に!】
この日は、卒団したOB・OGが差し入れを持って遊びに来てくれました。
↑吉田飛鳥さん、千葉はづきさん
↑畠山茜さん、冨澤悠太さん
ちなみに、冨澤家の長男・悠太さんの登場で久しぶりに冨澤3兄弟が揃いました!
この日はお母様も練習に見学にいらしていましたので、冨澤家で記念に1枚!
【練習の合間の癒し、差し入れシリーズ!】
本日お越しくださったゲストの皆様から、たくさんの素敵な差し入れを頂きました。
デジタルガレージ様からは東京の人気スイーツ「プレスバターサンド」を。
ヤマハミュージックジャパンの押木社長からは、浜松名物のうなぎパイ。
取材にいらっしゃった朝日新聞様、T JAPAN様、婦人画報様からも、お菓子を頂きました。
JA共済様からは、福島の紅茶専門店「アールグレイ」さん(https://earlgrey-2007.com/)のタピオカミルクティの差し入れを頂きました。
そして坂本監督からは、毎年恒例のクリスマスケーキの差し入れ。
薄皮饅頭が有名な、福島のお菓子屋さん・柏屋さんのいちごのショートケーキです。
NexTone荒川さん、押木社長、藤倉さん、佐藤さん。
スイーツ男子な一面も、おありなのでしょうか!
そして、トロンボーンパート橋本幸歩さんのご実家の果樹園で育った立派なりんごを差し入れ頂きました。
お土産として皆でもらって帰りました。最後の瞬間までハッピーな団員たちです。
【最後に坂本監督と記念写真】
練習終了後は坂本監督と団員達の記念写真大会!
監督自ら、スマホで自撮りを….!
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さて、盛り沢山の12月練習会、無事終了いたしました。
熊本公演参加メンバーは、翌日からいよいよ熊本へと移動します!