REPORT

2018.03.19

演奏会直前合宿の第二日目のレポートです。

演奏会直前合宿の第二日目のレポートです。


19日(月)の合宿第二日目の夕食後、本番当日のロビーコンサートでの演奏披露や今年度の活動の振り返りを行うオリエンテーションが、団員の自主企画が行われました。写真はその締めくくりで今年度2年連続のキャプテンをつとめてくれた畠山茜さん(大学3年生、仙台市)へ、みんなからの感謝状を坂本龍一監督が代表して渡したのでした。

二日目は朝から昨日あまり手をつけられなかったストラヴィンスキー「火の鳥1919年版」に集中的に取り組みました。

坂本監督、「オケ中ピアノ」を弾いていただく作曲家の小杉紗代さんに思わず身を乗り出してピアノのパートを確認されます。

身を乗り出されるのはピアノだけではありません。

降り番で休憩中の中高生の漢字の書き取りや数学の問題にも興味を示されております。要は好奇心旺盛な監督なのであります。

さて昼休みはリハーサル室の廊下で列をなして中華弁当をいただきました。

せっかくの1時間の休憩だからと記録係の福島の大学2年生、阿部秀捷くんがカメラを持って各パートごとの写真を撮っています。

畠山キャプテンはカメラの動きに敏感に反応しますね。

こちらはホルンパート。

写真を撮ったと思ったら、本番のロビーコンサートの練習をはじめました。

熱心に聞き入る坂本監督は「うまいね」とのご感想。

こちらはヴィオラ六重奏の練習ですね。

あちらこちらでロビーコンサートのためのアンサンブルの練習の輪ができています。

こちらは第一ヴァイオリンですね。

小学校4年生から大学院の1年生まで最も幅広い年代の揃っているパートです。

さて午後は「ラストエンペラー」から練習開始です。

指揮の栁澤寿男さんと坂本監督のコンビで丁寧に細部にわたって指導が入ります。

こちらはマイクのセッティング中ですね。

はい、今年も仙台公演で3年連続の演奏会出演をしていただく、吉永小百合さんがリハーサルにお越しになりました。畏れ多いので遠くから撮影します。

今年は宮沢賢治の詩から二篇、そして広島、沖縄の平和を願う詩をそれぞれ一篇、最後に東日本大震災がきっかけで生まれた福島の詩と合計五篇の詩を 坂本監督の作品「Still Life」に合わせて朗読されます。20以上の和音を演奏者一人一人が自由に演奏する、独特の浮遊感のある楽曲で、まずはヴィオラとチェロから、そしてヴァイオリンへと和声が広がっていきます。

坂本監督の指示は「できるだけヴィブラートせずに弾くこと」。「Still Life」=「静物」を表現するためです。

最初から最後まで指揮のはずが終盤にはおもむろにピアノを弾き始められました。

本番はどんな展開になるでしょうか。

主演映画『北の桜守』が公開中のご多忙をぬって時間をつかっていただいているのに、豪華な差し入れまでいただいてしまいました。

どうもありがとうございました。

そして吉永さんと同じく3年連続の出演者として司会をご担当いただく、渡辺真理さんも差し入れ持参で見学に来られました。

毎年恒例の東北ユースオーケストラのオリジナル焼印入りのどら焼きです。

今まで東北ユースオーケストラのために焼印をつくった人は渡辺真理さん以外に未だ現れず、です。

団員との記念撮影も。どうもありがとうございます。東京と仙台の本番をよろしくお願いします。

夕食後の1時間は団員の自主企画によるオリエンテーションの時間です。まずはロビーコンサートの披露。

ホルン八重奏「3つのエピソードより第一楽章/真島俊夫」

千葉大輝、佐藤咲良、狩野諒也、立谷隆太郎、千田捺月、田嶋詩織、曽根瑞貴、磯貝雛子 、赤間奏良の9名が披露してくれました。

ヴィオラ六重奏「G.P.テレマン/4本のヴィオラの為の協奏曲第1番より第3楽章」

村岡瞭、服部未来子、高橋奈々、鈴木祥子、佐藤ひかり、紺野未帆 の6名です。

続いては、 トロンボーン7重奏「Bosco Rosco / Tommy Pederson」

大谷龍陽、江見悠希、大波さくら、筒井温之、橋本幸歩、新川和弘、冨澤悠太の7名です。チューバの冨澤くん、楽器に隠れてますが存在感は抜群です。

そして、こちらも毎年恒例の企画、福島市の高校1年生、塘英純くんによるコンサートの幕開けを告げるオープニング・ファンファーレです。一昨年はトランペット二重奏、昨年はトランペット三重奏と発展してきた今年は、なんと金管八奏。2、3、5、8とフィボナッチ数列を一つ飛ばす飛躍ぶりに驚いておりましたら、塘(一番右)が解説してくれました。

なんでも昨年の演奏会のあと、チューバの富澤くんから「来年は金八(きんぱち)で頼むわ!」と言われ、何くそと意地でつくったそうなんです。無茶振りの教育的効果が実証されたようですね。今年の作曲にあたっては「ファンファーレとは何か? 『火の鳥』のモチーフをわからないようにそっと引用した」そうです。

アンサンブル披露の合間にヴィオラで3月で福島大学を卒業し、4月から北海道の鉄道会社での就職が見事決まったヴィオラの服部未来子さんが、東北ユースオーケストラのOBOG会の設立を語ってくれました。

TYO初代OBOG会長として、大きな組織に育ててもらいたいものです。

もちろんOBOG会からの寄付も期待しています!

と話をしていたら、2期まで参加してくれていたリケジョ、楢山花穂さんがOBとして東京公演の物販を手伝ってくれるというではありませんか。

OGになったものの大学3年生を留年することになったと・・・。思わず写真を撮ってしまいました。

続いて有志演奏会係の福島市の高校1年生山崎優子さんと宮城県の中学1年生福澄茉音くんから、今年度のいわき市、石巻市(2回)、南三陸町の合計4回の有志演奏会について報告してくれました。

のべ30人を超える団員が被害の大きかった地域を訪れ、地元の人々と交流して震災の体験を聞き、一方で自分たちの音楽をお聞かせするという機会を自らつくったことに大きな拍手が起こりました。

さらにその有志演奏会を支えてくれたのが、いわき市の橋本果林さんと福島県伊達市出身の大波さくらさんの大学2年生コンビです。

漫才のかけあいのような報告とともに壁新聞のような結果報告を説明してくれました。

デジタル情報に無い情報の熱量を感じるアウトプットですね。忙しい合宿中につくってくれて、どうもありがとう。

そして、アンサンブル披露の続きです。

◆木管五重奏「木管五重奏のためのディベルティメントより 第1楽章、第4楽章/ハイドン」

Fl.菅野桃香、Ob.関根慧、Hr.田嶋詩織、Fg.西村優里、Cl.木戸口夏海 です。

続いて クラリネットカルテット「クラリネットポルカ」(作者不詳)

木戸口夏海、山中陽香、黒須菜月、阿達弘将のカルテットでした。右端の木戸口さんは今日が音楽大学の卒業式で、式終わりにかけつけてくれました。プロを目指して4月から頑張って欲しいものです。

このように演奏会では開場直後から演奏がはじまります。ぜひともお早いご来場で東北ユースオーケストラの演奏をすべてお楽しみいただけますよう。

オリエンテーションの最後は、畠山キャプテンから今年の感謝状の手渡しです。

まずは「コンミス」ことコンサートミストレスの大役を務めてもらう、千葉はづきさんに感謝。

オープニングのファンファーレ作曲の「じゅんじゅん」こと塘英純くんに感謝。

腰が低い作曲家です。

有志演奏係を代表して山崎優子さんに感謝状。

クラウドファンディング担当の橋本さんに感謝。

後ろで地味にカメラを構えているのは事務局員の宮川裕さんです。

そして千葉大輝くんに感謝。えーっと、何に関する感謝だったか。何より千葉くんは昨晩合宿所の風呂場で転倒、頭を強打し、救急車で病院の精密検査を受けました。1日に2人の救急車搬送の記録をつくってくれました。

風呂場の足元にはくれぐれもお気をつけください。

そして、広報係の福島の高校1年生、千田捺月さんに感謝。

感謝状を持つポーズが決まっているね。

そして、アンケートづくりなどの功績が認められ、筒井温之くんに感謝状が送られたのですが、

遠すぎてわからないですね、すみません。筒井くん、仙台公演での東北大学からの楽器の調達などもありがとう。

さらに記録係としてカメラや#団員レポートで活躍してくれた「ダンディ」阿部秀捷くん。

カメラを首から下げる姿がいいぞ!

そして、合宿係でこのオリエンテーションの進行もしてくれた大学2年生磯貝雛子さんに感謝。

てきぱきとした受け答えや、三代目の女子風呂番長として活躍してくれています。

最後にサプライズで坂本龍一監督から2年連続でキャプテンの重役を果たしてくれた畠山茜さんに感謝状です。

この3月から就活をはじめたとのこと。東北ユースオーケストラのキャプテンの実績は就活に効くはずです。就職先が楽しみですね。

このように3年目にして個々人の成長、組織の成長を強く実感しています。ますます団員の自主性が育ち、それが創造性への昇華されることを周りの大人は願っております。

合宿二日目は最後にドビュッシーとストラヴィンスキーをさらって1日10時間の練習を終えました。

明日は合宿最終日。ということは、その翌日は本番です。みんな昨日のカイロプラクター仲野倫広さんがおっしゃっていた、一番大事な「よく寝ること」を忘れず、ゆっくり休んでくださいね。