今年の演奏会の直前合宿第一日目のレポートです。
ついにはじまります。今年も演奏会直前の2泊3日の強化合宿です。過去2回もこの直前の一夜漬け的猛練習で目覚ましい追い込みを見せてきました。今年は千葉の山奥でも海岸沿いでもなく、本番の東京オペラシティコンサートホールのリハーサル室で行います。
仙台から福島を経由して団員を乗せてきたバスが予定よりも早い13時前に到着しました。
一方、岩手組は盛岡駅から新幹線、そして新宿経由で電車で到着です。
関東圏の大学生チームは午前中から楽器搬入と椅子並べの手伝いをしてくれました。ホワイトボードにTYO恒例の文字が見えます。
近寄ってみると、
本番までの手書きカウントダウンです。そうです、あと泣いても笑っても72時間でステージです。
楽器とスーツケースを持った宮城、福島組がリハーサル室に到着です。
こちらは最年少参加の福島県の小学4年生、笹山千尋さんとお母様と6歳の妹さん。
見事に似ている姉妹ですね。
オリエンテーションで事務局岡田直美さんから宿泊の諸注意説明です。
そして、一般社団法人東北ユースオーケストラの代表理事の押木雅人さんから激励のお言葉をいただきます。押木さん、この4月からヤマハミュージックジャパンの社長に就任されます。2011年の楽器修復プロジェクトからのお付き合いなだけに、これからも大船に乗った気になりますね(笑)
指揮の栁澤寿男さんのご指導により、ドビュッシーの交響詩「海」の第3楽章から練習をスタートしました!
最初の休憩時間、坂本龍一監督が何やらにこやかです。
ドビュッシーとともにメインの1曲であるストラヴィンスキー「火の鳥」のピアノ(俗に言うところの「オケ中ピアノ」を弾いていただく右手の女性、小杉紗代さんがジュリアード音楽院の作曲専攻の博士課程修了のドクターで現役の作曲家でありながら、事務局のプロモーター、プロマックスの契約社員であることを知り、「プロマックス、人材揃えてるね!」と事務局テクニカル・ディレクターの飯島則充さんにツッコミ。
坂本監督の今回の来日は、先月のベルリン映画祭のグランプリである金熊賞の審査員を務められた後、フランスでのパフォーマンスを経て東京に一昨日到着されたばかりでして、約2ヶ月にわたる世界一周出張の途中にも関わらず、お元気そうです。
ドビュッシー「海」の練習中にも関わらず、やおらピアノに向かわれるので、「あらら?」と思ったら、
ハープのパートをピアノで演奏されたのでした。
実はこの日のオリエンテーション直後、全員が慌てる事件がありました。「ガシャーン!」と急にシンバルが鳴り、床に落ちたのかと思ったら、なんと仙台の中学3年生、小檜山翔也くんがピッコロを持ったまま貧血で倒れたのでした。その際、おでこをシンバルにぶつけ、運悪く額を切って流血してしまったのです。その後、救急車で東京女子医大に搬送され、額を抜い、精密検査を受けて元気に戻ってきてくれました。
坂本監督に労られながら「大事に至らず良かったね」と記念撮影。お父様、お母様、ご心配をおかけしましたが、こんなに復活してくれました。
そして、頭からポタポタと血を流す急病人に一同うろたえる中、小檜山くんの姿勢を整え、励ましながら脈を取り続けてくれた本日のMVPがいました。今期から参加してくれた、小檜山くんと同じフルートの河野史歩さんです。
河野さんは福島県立医科大学3年生で、看護師の勉強をしています。お礼とともに写真を撮らせてというと、両手を挙げての遠慮謙遜ポーズなのですが、もはや神の手、マジックハンドと神々しく見えます。他にも数名の看護師予備軍がTYOにはおりますので、保護者の皆さんはどうぞご安心ください。
そして、毎年ありがたいことにシュークリームの差し入れを持ってきていただいた方がいらっしゃいました。
音楽著作権の管理会社、株式会社Nextoneの社長、荒川祐二さんです。今年も演奏会で配布するパンフレットで演奏曲目解説をお願いしています。どうもありがとうございます。
17時からの1時間の食事休憩を挟んで夜の部です。今日は特別プログラムとして、坂本監督のご紹介によりニューヨークを拠点に活動されている、全米No.1日本人スポーツカイロプラクターの仲野広倫さんに「疲れない体の使い方」を45分で覚えるワークショップをしていただきました。
仲野さんのご本「世界の最新医学が証明した 究極の疲れないカラダ」に帯文を寄稿されているご関係でご紹介いただいたのです。
まずは日本人の8割がなるという腰痛にならない腰の動かし方から。
ヴィオラの村岡くんが人体模型替わりに。
体のメカニズムをわかりやすく解説することで、体をつくる方法を教えていただきました。「まず、1日8時間は寝なさい。バランスよく食べることで骨密度を高めてください」という、寝る、食うからはじまり、「体を支えることが楽器を支えるよりも大事」と楽器を演奏して左右非対称の動きになりがちな団員に対して、全員がその場で体験式で進められました。
配られた「究極の体のひみつ」の資料は公開していただいています。どうもありがとうございました。
夜の部は、坂本監督のYMO時代の作品「Behind the Mask」から。
そのあと、「ラストエンペラー」「戦場のメリークリスマス」「ETUDE」と坂本監督との合奏練習が続きました。
20時の休憩で、またしてもうれしい差し入れが出されました。
全国協会農業協同組合連合会 全国本部さんからの岩手県産のアイスクリームです。
みんな、一息入れながら美味しくいただきました。どうもありがとうございました。JA共済さんには先日の311に合わせて、『AERA』と『週刊新潮』の週刊誌に広報の広告を出していただいています。
重ね重ねありがとうございます。
21時には練習を終えて、合宿班のリーダー、大学一年生の磯貝雛子さんから宿泊に関する注意の説明がありました。
歩いて30分の宿泊場所はチェックインで列が・・・。
各部屋で鍵を受け取って、明日からの食券を受け取って、さらにシーツを受け取ってと、することが多いです。
あらら、この時点で22時半になってしまいました。今日の仲野さんの教えの通り、よく寝てくださいね。明日から二日間は1日10時間の練習です!
波乱気味の合宿初日レポートでした。