REPORT

2018.02.19

宮城県南三陸町での有志演奏会

宮城県南三陸町での有志演奏会

2月17日に宮城県の南三陸町にあります『さんさん商店街』で第3回の東北ユースオーケストラ有志演奏会を開催することができました。

あ、申し遅れました、今回の活動レポートを書かせて頂きます有志演奏係所属で、TYOではチューバを担当の冨澤悠太(とみざわゆうた)と申します。

私ごとですが、朝の移動中に日の出を見ることが出来まして、かの有名な歌人、柿本人麻呂の和歌で『東の 野にかげろひの 立つ見えて かへり見れば 月傾きぬ』という歌が頭をよぎり、一人、雅な気分になっておりました(まぁ、月は映ってませんがね…)

さて、活動報告ですが、メンバーは8:30に仙台駅集合(メンバーの皆さん、早くてごめんなさい)しまして、南三陸町に向かいました。写真は福島組の皆さんです。

福島組は6:00に福島駅に集合したそうで… 本当に朝早くからありがとうございます。

さて、今回の演奏はあの有名な『さんさん商店街』です!

タコの街ということで、タコの立派なオブジェがお出迎えしてくれました‼︎(オクトパスくんと言うそうです)
さんさん商店街に着いたら早速リハーサル開始です‼︎

皆さん、朝早いにも関わらず、本番モードONで頑張っております。
そして、そろそろ本番という時に、お客さんを見渡すと、見たことがある顔が…

気仙沼から参加しているパーカッションの三浦さんが見に来ているではありませんか‼︎
と、いうことで、オクトパスくんの前で記念にぱちり。

本番の写真を数枚ほど。そして、演奏後はみんなで記念撮影しました。皆さん良い顔をしてますね〜

演奏後は、昼食休憩を長めに取りまして、さんさん商店街でお昼を食べてもらいました。
皆さん美味しい海の幸を食べて舌鼓を打っていました。

こちらは、地元のイクラをふんだんに使ったキラキラ丼です。

美味しいお昼で南三陸町を舌で堪能した後は、場所をポータルセンターという研修施設に移しまして、今回の協力団体であるproject“M”さんに講演会をお願いしていた、TYO向けの特別講演会を開催していただきました。

ここで、project“M”さんの紹介を(以下はホームページからの引用です)

『2015年、宮城県南三陸町(戸倉地区)出身の大学生を中心に結成。

東日本大震災当事者としての震災教訓の発信を行う。以降、東北出身等の学生を加え、震災の過去と共に、復興へ進む東北の今を発信する活動を行なっている。実際に現地に足を運ぶ形で若者と地域を結び、震災時の状況や、被災地が抱えている現状の課題、地元の人々の温かさや、震災後に見つめ直した故郷の魅力を共有する。

東日本大震災の過去とその教訓を語り継ぐ活動を行いつつ、若い世代が地域の中で交流を実践する活動を通して、地域や社会に対する若者の関わり方を探っていくプロジェクト。

また、東北の被災地に関わる中で、地域や身近な社会の課題に対して感じた気づきを共有し、学生としてできることの中でアイディアを形にして行くことも目的としている。』

左から  三浦さん、西城さん、松崎さん、佐藤さん、小野寺さん

さて、講演会内容ですが前半は、Project“M”代表 小野寺さんと防災士の資格をお持ちの三浦さんが中心となって、当時の南三陸町の様子や、当時の体験などをパワーポイントを用いて説明頂きました。

Project“M”さんが皆さんの年齢が近いこともあってか、団員の皆さんも真剣に話を聞いていました 。

実を言いますと、今まで、ユースの団員の多くは震災の話を聴く機会があっても、多くがご年配の方々であり、同世代のから話を聴く機会があればなぁ…と思って、今回project“M”さんにお願いをしたのですが、project“M”さんと私の目論み通り、団員からも「新鮮だった」や、「歳の近い人たちのお話を聴けて良かった」との声があり、非常に良い体験をさせて頂けたとproject“M”さんには感謝です。

後半は、クロスロードゲームを使って、防災についてのレクチャーを受けました。

こちらも、団員に好評でして、なかでも小学生、中学生を中心に好評でした!  

 講演会で三浦さんが言っていた「防災と言っても、災害を防ぐことは厳しいです。しかし、被害を最低限に留める“減災”が大切なんです」という言葉が印象的でした。
講演会後 、少し時間がありましたので、東北ユースオーケストラ第1期団員で昨年度まで活動していて、今はproject“M”のメンバー松崎奏さんに感想を聴いてみました。
『私は昨年まで東北ユースオーケストラの団員として活動していましたが、今回は団員としてではなく、Project”M”という学生団体の1メンバーとして参加させていただきました。
 Project”M”で南三陸での被災やその後の歩み、自分の故郷である福島県の震災後の歩みについて考え、一昨年・昨年のTYO演奏会のステージに上がれたことは貴重な経験となっています。この度、有志演奏という形でTYOの団員13名が少しでも南三陸そして自分の故郷について考え、3月の演奏会により強い信念や思いをもって臨む機会となっていれば嬉しく思います。演奏会の成功を祈っております!』

ありがとうございます。

実の話をしますと、TYOがproject”M”さんと合同で演奏会を開催することができたのは彼女のおかげといっても過言ではありません。TYOとproject”M”をつなぐきっかけであり、橋渡しをしてくれた彼女の働きには、頭が上がりません。感謝、感謝です!

講演会の後は、仙台駅へ帰るわけなのですが、その途中でメンバーから「せっかくだから海を見てみたい」とのことで、少し遠回りをして海を見てから帰路につくことにしました。

 Project“M”代表の小野寺さん曰く、町の基幹産業は林業と漁業で、漁業では貝類や海藻類の養殖さかんなんだそうです。
この後、仙台駅に着いたのが18:30でした。朝から晩までの活動で疲れてはいましたが、みんな充実感のある表情をしていて、素晴らしい体験をさせていただいたと思いました。

さて、ここからは総括です。

有志演奏活動は「被災地の方々に笑顔になって頂くこと」「多くの方に東北ユースオーケストラを知ってもらうこと」という理念のもと活動をしていますが、これだけではなく、団員にとっても非常に意義のある活動ではないか、と考えています。

と、言いますのも、参加したメンバーが自分の目で現地を見て、聴いて、感じて考えることで、参加したメンバーの人生経験がより一層豊かになりなすし、また、活動を通しての出会いが経験となり、演奏へ繋がってくというような好循環を生み出せると、と思います。そしてこの事がとても大切な事であると思います。

そのため、今回の演奏会は、もちろんメインは演奏ですが、『その地域を楽しみながら知ってもらう』という事をTYO有志演奏係とproject”M”さんで打ち合わせをした際にテーマとして決めていました。そのため、演奏後はお昼休憩を長めにとって、さんさん商店街を見て回る時間を多めに取ったり、講演会をお願いして、地域の過去と未来、そしてこれからの教訓を話していただきました。

この、お客さんに楽しんでもらいつつ、自分たちも楽しみながら学習をしていく。団員が「楽しい」や「勉強になった」、「とてもよかった」と感じてくれるような有志演奏を企画することで、団員同士の口コミで広がり、さらに活発かつ積極的な有志演奏会が開催できるのでは… と考えています。

さて、今年の有志演奏も残すところあと一回となりました。 3月3日の宮城県石巻市での演奏となります。こちらの演奏会も精一杯頑張りますので、みなさまご支援のほどよろしくお願いいたします 。

最後にJAPAN GIVINGで実施中のクラウドファンディングのお知らせもさせてください、「 被災地に音楽を届けたい -東北ユースオーケストラ有志演奏- 追加支援募集 」です。24日(土)までとなっています。どうぞよろしくお願いいたします。

冨澤悠太