夏合宿3日目のレポートです。
夏合宿3日目のレポートです。
8月9日水曜日も8時から練習開始です。来年3月の演奏会目指して、今日もストラヴィンスキー『火の鳥』とドビュッシー『海』を指揮の栁澤敏男さんが1小節ごとに解説、メロディーをご自身で歌いながらのご指導です。栁澤さんによると「スコアが難しいので、大学生はともかく、団員は一人で楽譜を読み込むことすらできないのではないか」とのことで、各パートごとに細かく丁寧に指示を出されていきます。
わたくしが石垣青少年の家のロビーのフリーWiFiを使って、デスクワークをしていましたら、前を通るたびに「おはようございます」「おつかれさまです」と挨拶をしてくれる、揃いの黒装束の中学生たちがいました。東北ユースオーケストラでも普段から「挨拶をしよう」と言っているせいか、ここ青少年の家の職員の方にも「みんな、よく挨拶をしてくれますね」とお褒めいただきうれしかったのですが、その比ではないのですね。石垣第二中学校吹奏楽部のみなさんの礼儀正しさ、規律の正しさには驚きました。体育館に座るだけでもこの統率ですよ。
何が始まるかと言うと、東北ユースオーケストラと地元の吹奏楽の名門である中学生との交流演奏会です。これまた石垣フィルハーモニー管弦楽団の篠事務局長に石垣市民の方との音楽の交流をとお願いをして、アレンジしていただきました。11時から1時間程度の会のはじまりです。
まずは東北ユースオーケストラから、代表・監督の坂本龍一さん作曲の映画『ラストエンペラー』のメインテーマを演奏しました。過去2回の演奏会でオープニングで披露した楽曲ですが、今年は約半分の団員が入れ替わったので、この直前まで練習をしてなんとかお聴かせできるレベルになりました。
栁澤さんもTYOオリジナルTシャツを着て、熱のこもった指揮です。
大きな拍手をいただいて、今度は石垣第二中学校吹奏楽部の演奏をご披露いただく番。先の中学生に比べ、聞き手にまわったTYOのバラバラぶりにご注目ください。
むしろ東北ユースオーケストラは多様性を尊重したオケなのだと言いたいですね。それはそれとして、さすが先日のコンクールでも金賞を獲られたという実力を見せつけられた演奏でした。オリジナル曲から『SING,SING,SING』の迫力ある音でした。
両者の演奏のあとは、同じ楽器ごとに集まっての交流会です。
体育館のあちこちに輪ができました。
このクラリネット交流会には栁澤さんも合流。
全員が見事にピースサイン。ピースサインの考案者と言われる20世紀の英国の名宰相ウィンストン・チャーチルも21世紀の日本でこんなことになってるとは、よもや想像しなかったでしょうね。確かに東北と沖縄のピースフルなひと時ではあります。
さらにスマホで写真撮影。LINEアドレスを交換したことでしょう。交流会が進む中、向こうから「似てる〜!」との絶叫と笑いが聞こえて来ました。
左は東北ユースオーケストラ三年目となる仙台の中学一年生の鈴木南美さん、右は石垣第二中学校の石垣奈穂さん。確かに似てる!
ちなみに鈴木南美さん、滞在中も現地の人から「(沖縄)本島から来たの?」と聞かれてました。琉球顔なんでしょうね。
さて、この日の午後はみんなでバスに乗って移動しました。
こちら石垣の離島ターミナルです。
船に乗り込んで15分ほどで着いたのは、竹富島。
まず全員で向かったのは水牛車観光。
竹富島で生まれた『安里屋ユンタ』があちらこちらから聞こえてきます。そして、この後はグループごとに分かれてレンタサイクルで行動。
ピースサインでの片手運転はやめようね。
こちらは麦わら帽子三人娘。竹富島の趣深い風景にあわせ短歌でも。「石垣に 白い砂利道 赤瓦 麦わら乙女に 吹く南風」
竹富島で最も有名なコンドイビーチに行ってみたら、島ネコが昼寝でお出迎え。のんびりのどかだけど、ちょっと痩せすぎではないかと心配になりましたが、野生の眼をしているのですね。
つい拙宅の飼い猫プラトン(オス、6歳)を思い出したのでした。
もはや野生度はゼロパーセント、横から見るとこの体型です。
太り過ぎです・・・。
さてコンドイビーチに戻りましょう。
美しい海を堪能する団員たち。生まれて初めての海水浴ですという福島の中学一年生がいました。周りから「福島の海は入れないからね」なんて言葉が聞こえてくると胸が痛みます。しかし、初日、二日目とホームシックで泣いていた新入中一団員も、この透明な海では思いきりの笑顔ではしゃいでくれていました。
男子はなまこを見つけては騒いだり投げたり。
一方、女子は星砂や貝殻を探し。
かと思うと、
海ではしゃぐ人たちを眺め、海にも入らず浜辺でたたずむ男子たち。いいなぁ。わたくしの青年期はこのクラスターでしたよ。
4時間ほどの滞在もあっと言う間で、また石垣の離島ターミナルに戻ってきました。船着き場に地元の英雄の銅像を発見!
ボクシングの元世界チャンピオン、具志堅用高のポースを真似る昭和のお父さんは、福島事務局のリーダー渡辺豊さんと長男の颯太くん(小2)。颯太くんは2年後に東北ユースオーケストラに入団だね。
今日は離島ターミナルで一時解散。石垣島の市街地でお土産物を買ったり、ご飯を食べたり、思い思いに石垣島の思い出をつくってね、でも単独行動、ソロ活動は禁止だよ、と説明して、20時のバスで合宿地に戻りました。