REPORT

2015.09.24

第一回合同練習会を福島市で行ないました。

第一回合同練習会を福島市で行ないました。

世の中は「シルバーウィーク」でしたよ。いつのまに定着したというべきか、今年だからこそ定着したというべきか。NHKでは映画業界のPRのために生まれた言葉だからと決して口にされることのない「ゴールデンウィーク」の向こうを張ってネーミングされた、9月の秋分の日につながる連休。この新単語が普通に人口に膾炙した2015年のあとは、同じ並びの5連休は2026年までやって来ないそうではありませんか。そんな気まぐれな彗星のような「シルバーウィーク」の話題はさておき。

連休の最終日は、東北ユースオーケストラの福島市での合同練習会の初日なのでありました。東京事務局のわたくしは、この記念すべき日に決して遅れてはなるまいと、夜中何度も途中で起きながら少々勇み足の朝は5時半に起床。東京駅に向かいました。朝の東北新幹線構内にして、なぜか若い女性たちが多い。いや正確に言うと、10代から20代の女性二人組が眼につく。時間つぶしのため買ったおにぎりを待合室で朦朧としながら頬張っていたら、気づきました。これは、嵐なんだ!みんな身につけているものに「ARASHI」が入っている。嵐が復興支援のために宮城で行うスタジアムライブに向かおうとしているのだ。そのうちこの日の朝、東北新幹線に乗ろうとしている女性グループの目的は嵐なんだと理解を深めました。50代と思われる女性三人組はそろいの黒のTシャツの胸にワンポイントで「ARASHI」。わたくし46歳男子と同年代と思われる女性のカバンに「ARASHI」で、隣で駅弁を開けたかと思うと、朝から缶チューハイをゴクゴクとお飲みになっています。これが100億円とも言われる経済効果かという実感とともに、福島駅に到着しました。

練習会場となる市内の学校に到着すると、すでに教室に目いっぱいの団員だちが待っていました。

100人を超える団員を前にあらためて東北ユースオーケストラの目的を説明しました。思わず「東北ユースオーケストラも嵐です。今日まで嵐が宮城県で全国から20万人以上の人を集めてライブをやっていますが、復興支援が目的だと聞きました。東日本大震災の被災地に対する復興支援の志、意識と行動においては嵐と同志と言って間違いないので、みんなも嵐と同じことをするのだ思って、自信を持って練習に励んでください」というようなことを言いました。この嵐の喩は、新幹線車内で思いついたものの、わかりやすかったのかどうかは、大いに疑問が残りました。

第一回の合同練習会には、東京フィルハーモニー交響楽団から4名の方が指導に来ていただけました。弦楽セクションはチェロの黒川正三さん、木管セクションはオーボエの荒川文吉さん、金管セクションはホルンの磯部保彦さん、打楽器セクションはパーカッションの船迫優子さん。みなさん連休のお忙しいところ、ご厚意で福島までお越しいただきました。

それぞれ各教室での練習になりますので、机や椅子を移動させたり、譜面台やコントラバスやチューバなどの大型楽器を運び込んだり、練習準備だけでも結構な時間と労力がかかります。

各先生の指導のもと11時から15時30分まで、来年3月の演奏会の演目であるチャイコフスキーの交響曲5番(オーケストラ業界内では通称「チャイゴ」と呼ばれていることを最近知りました)とガーシュインの「ラプソディー・イン・ブルー」の練習を行いました。9月の祝日の昼下がり、黄金色に染まる校舎の長い廊下で聴く「ラプソディー・イン・ブルー」の少々ぎこちない旋律は、甘酸っぱく美しいものでした。

今日の合同練習会を振り返り、防犯上の注意や上履き、譜面台持参の確認などして解散しました。

宮城県組と福島駅からの移動では、団員のお母様がお勤めの宮城交通さんのお世話になりました。当日、また例の嵐効果で大型バスが宮城県隣県中から払底していたところ何とか手配をいただいたのでありました。

ありがたや、ありがたや。東北ユースオーケストラは、そんな個人、企業の善意で何とか支えられております。嵐並みの復興支援を目指して活動を続けたいと思います。この記事を眼にされた皆様からのご厚意を喜んでお受けしますので、ご検討のほどどうぞよろしくお願いいたします。

合同練習会は地元の新聞社2社から取材を受け、今日の紙面に掲載していただきました。

実際の紙面では物理的に相当大きなスペースで、取材受けした赤間くんの顔写真も出ていました。