3月11日、有志による石巻での活動
3月11日、有志による石巻での活動
2017年の3月11日。
チーム神戸にお取り計らいいただき、ボランティアという形で有志楽団員18名が石巻を訪れました。
この日の模様は、チーム神戸のブログが丁寧に記していらっしゃいますので、ご参照いただければと思います。
今回のTYOのブログは、3月11日という日に、自分が体験した場とは異なる場、石巻を訪れ、感じたことや自分の中での変化を有志楽団員自身の言葉としてお伝えしたいと思います。
3.11はTYO団員にとっても第一の共通項だし、若いからこそ忘れてはいけないし、語り継げるように様々なことを見聞きできたことはよかった。しかしながら、ボランティアとして行ったのにあちら側の方に気を遣わせてしまったのは情けなかったなあと思う。
服部 未来子
以前、福島県の沿岸には訪れたことがありましたが、宮城の沿岸部をきちんと訪れたことはありませんでした。同じ沿岸部でも、福島の状況とは全くちがうということを肌で感じ、また復興が進みつつあるからこその問題もあると学びました。本当に拙い演奏ではありましたが、住民の皆さんが曲中に涙を流してくださったことが非常に印象的で、これからもこのような形で何かできる機会を自分から作っていけたらいいなと思いました。
大波 さくら
東日本大地震当日に演奏を聴きに来ていただけるのか不安があり、あまりに被災地被災地と言うのも良くないのでは、など様々なことが気になっていましたが、来て下さった方々はただただ3/11を思い、避難経路を確認したり私達の演奏を聴いて下さって、もっとシンプルな気持ちでこの3/11を過ごして良いのだと感じました。
畠山 茜
石巻の皆さんは本当に強い方々なのだなと思った。今日、ようやく初めて「震災」を知ったのかもしれない。自分の目で見て感じて、体験を強いられた方々の話を聞いてしか震災を傷跡の深さを理解できなかった自分が悔しかった。もっと早くに気付いて、理解して、行動できていればよかった。表面上の同情や共感で自己満足していた自分を反省した。
五十嵐 優華
海がいろいろなものをうばったけれど、皆さんは海のことをきらいになっていないんだなと思った。僕は今回参加したことで、音楽をさらに好きになった。
福澄 茉音
3.11を見つめ直そうと思いました。住民の方とお話をしていて、防災ベンチなどは確かに便利だけども高齢者が多いところでは力仕事は大変だ、とおっしゃっていたのでなるほどなと思いました。なので周りの声ももっと聞いて、それも含めて伝えていかなければいけないなどと具体的に考えるようになりました。
西野 蒼
正直、もっと暗い雰囲気だと思っていました。実際はみなさん明るくたくましく、、、でも石巻のみなさんが経験されたことを思うと住民の方への尊敬というか、うまく表現できないのですがそのような気持ちがうまれました。
野木 青依
想像した以上に、津波被災地で受けたショックは大きかったです。特に、災害復興住宅上階の避難場所から石巻の町並みは、災害復興の現状を思い知らされるものでした。社会の学習で勉強しているよりもっとひどい。また、そのような場所で演奏させていただけることに、感謝の気持ちと、演奏の後涙を流している方を見て、思いが伝わったかな、と感じました。そして、目の前に津波で「被災」した方々を見て、自分は「被災者」だなんて簡単には思うことができないな、と思いました。被災とは何かをきちんと理解して初めて「被災者」だと。そして、石巻で会った方々はそれができている人たちだと思った。
赤間 奏良
私が思っている以上に地域の人は明るく、前を向いていた。自分の演奏を聞いている最中も一緒に歌って下さったり、というのはあったが、それ以上に地域の方に声をかけたときに、「寒いだろう?」と天気やその特徴について、石巻ならではのこと、その土地の人ならではのことを教えてくれた。初めて会った私にこんなに明るく話をかけてくれた。その一瞬で「もし嫌な顔をされたらどうしよう」という気持ちは私の中から消えていったことに私自身驚いた。たとえその時初めて会った人でも、温かく対応してくれる、そんな地元の方々の温かさが心に沁みた。
阿部 秀捷
これまでは、「震災で辛い思いをした、そのことを風化させないように伝えていく」という考え方だったが、今回の活動を通して、「辛い思いを乗り越えて前向きに進もうとしていることを伝えたい」という考え方に変わった。
佐藤 ひかり
復興に関して、自分にできることってあるのだろうか、とずっと疑問に思っていましたが、今回、実際に携わる方々やそれを受ける方々の様子を見て、寄り添い続けることの大切さをひしひしと感じました。自分にできることをもっと考えていきたいです。
齋藤 智子
今までは、3月11日が来ても、どうしても当時のことを思い出したくなくてあまり人の体験したことをなども聞かないようにしていましたが、今回参加してたくさんの方のお話を聞いて、震災の話題を避けるのではなくちゃんと聞いて受け止めて他の人に伝えることが大事だと気づくことができました。
山﨑 優子
みなさんが明るく過ごしていて強いんだなと思った。被災地での生活がよくわかり、機会があればまた行きたい。
千葉 隆史
小中高のメンバーが被災地を訪れ地域の人たちと交流できたことは非常にプラスだったと思う。大学生が前に出すぎずに、そうした子たちに経験させることが、ユースの今後の活動を伝えていくという意味で大切になってくるのではと思う(4月に小学校に入ってくる子たちは震災を知らないため、そのような未来の子たちに伝えることができるように)
長谷川 桃
団体の知名度が足りない。知名度がないと、団体が地域に受け入れられているかわからない。もしかしたら、東北の名を借りて勝手にやっていると思われているかもしれない。今回は演奏メインの活動ではなかったからこそ、自分たちが参加することで訪問先の方々がメリットを感じられたかわからない。演奏メインの活動じゃなかったとしても、自分たちは演奏する団体なのであるから、それ以上に他の活動をするのであれば最低限、まず演奏はもっとしっかりさせなければならなかったかなと思う。これから本番である演奏会に向けて、より一層いいものを作っていきたいと思った。
加藤 恭平
湊地区の想像以上に疎らな復興の現状や、地域の方々の気持ちや心情は直接訪れないとわからない事だと改めて感じた。震災関連の番組や書籍を一生懸命観たり、募金をしたりすることも大切だが、何よりも自分の目で現状を見ることが大切だと感じた。
曽根 瑞貴
現地の方々(特に年配の方々)のお話は本当に生々しく、正直聞くのがつらかったです。でも、それが本当にあったことなんだなぁと。私は内陸に住んでいるので、津波の被害は有りませんでした。当時テレビの中継で津波が来る様子が放映されていました。その時のそれがあまりにも速すぎて今でも鮮明に思い出せます。あの状況下に置かれていた石巻の方々(だけではないですけど)を見ただけで胸が締め付けられました。
板垣 なずな
「歌はいいねぇ。久しぶりにこんなにのびのび歌ったよ」ってしみじみおっしゃるんです。「目の前でこんな音楽聴けるんだもの、来てよかった」っておばあちゃんがおっしゃるんです。音楽ってすごいエネルギーだなって。伝え・つなぐこと、そして寄り添い続けること。昨年度からずっと実践していることですが、伝える、寄り添う難しさを、その重さを痛感しています。状況は人それぞれ。志も正義も。しかし、背伸びをしても逆に迷惑をかけしまうだけなのも事実です。これからも良くも悪くも“学生らしい”活動を“続けていくこと”が大切だと思います。“太く”なくていい、“細く長く”が大切です。
中村 祐登
「住民の方々に寄り添う」という一つの形・価値観は、東北ユースに参加することで得られた、音楽を発信するとはまた別の側面の、一つの大きな財産のようにも思えます。
「演奏会2017」を間近にひかえた東北ユースオーケストラにご期待下さい。