今日はマーラー漬け! 札幌夏季合宿第二目レポート(前編)
昨日とは打って変わってまさに台風一過な晴天、札幌合宿の2日目です。
今日は室内に引きこもり指揮の柳澤寿男さん指導のもと、第二回演奏会のメインの楽曲であるグスタフ・マーラー作曲交響曲第1番を集中的に練習する日です。
朝8時から第一バイオリンのトップ、つまりコンサートマスター役なんですが、女性ですからコンサートミストレス略して「コンミス」の高校二年生渡邉真浩さんがリードするチューニングではじまりました。
最初に「一番難しい第四楽章からはじめましょう」と柳澤さん。
そう、このマーラーは難しいのです。
この楽曲に決まるまで、
まずは団員全員に演奏したい曲アンケートを取りました。
その集計で一番だった訳ではないのですが、金管木管が多く、パーカッションも何人もいる東北ユースオーケストラの編成にふさわしいのではないかという団員の意見を受け、指揮者の立場から柳澤さんも「東北ユースなら頑張ったら、なんとかできるはず」とピックアップされ、前回のチャイゴことチャイコフスキー交響曲第5番よりも近代の曲がいいのではという坂本龍一代表・監督ともマッチして、マーラー一番「巨人」に決まりました。
昨日の台風による遅れを取り戻すべく、第四楽章の約4分のパートを1時間強練習するスタートダッシュ。柳澤さんも大竹伸朗さんデザインのオリジナルTシャツで気合いが入ってます。
出だし、シンバルをティンパニのスティック部分で叩く重要な役回りは、今年度から参加の高専五年生の半澤悠音さん。手前の大太鼓も今期から加入の、昨日は団員で最も早く4時起きして気仙沼からやって来た中学三年生の三浦瑞穂さん。パーカッションのタイミングを事務局の飯島さん、竹田さんがアシストします。
ご覧のようにマーラー一番はティンパニ二台の編成で、うち1台は福島出身の大学二年生トロンボーンの河野翼くんが所属する地元の北海道大学交響楽団から借りてくれました。
他にも北大オケからはコントラバス二台、大太鼓、タムタムなど大型楽器の貸し出しで協力をしていただいてます。昨日みんなが到着前に、しかも台風も到着前に、一人楽器の搬入をしてくれた河野くんは今回の合宿を支えるMVPですね。ずらりと並ぶTYOホーンズの奥から2番目が河野くんであります。
ちなみに今回の合宿の配置表を仙台の大学二年生トランペットのパートリーダー中村祐登くんが作成してくれたので貼っておきます。ピンクのアンダーラインが今年度からの参加団員です。
もはやスマホではおさえきれない団員の全体像を今回持参した魚眼レンズでパチリパチリ。
そして、もう1台のティンパニはというと、意外な会社からお借りできました。札幌で貸し出していただけるティンパニを、全面協力いただいている東京フィルハーモニー管弦楽団さんにお願いしたところ、テンフードサービスという地元の飲食業の社員さんで楽器を個人所有しているティンパニ奏者がいらっしゃるとの情報を得、今回貸与を受けるに至ったという経緯です。
ですから、今日のランチは御礼も兼ねて傘下の飲食店、“ぎょうざとカレーなら「みよしの」”の「みよしの」さんによるケータリングと相成りました。
この餃子とティンパニの札幌での出会いというシュールレアリズムなストーリーに、餃子もティンパニも皮が付いているから云々と大喜利的構造主義の考察はさし控え、みんなでスクール形式で美味しくいただきました。
「札幌と言えばスープカレーしょ」なんて無粋なことを言ってはなりませぬ。
心頭滅却すれば火もまた涼し。ルゥをスープ並みにかければスープカレー!カレーライスと福神漬け並みに、カレーと言えば餃子でしょう。
午後もマーラー漬けの中、昨日はお腹が痛いと練習を見学していた、福島の小学五年生、ヴァイオリンの福田大真くんが「聖光学院が試合してるよ」と教えにきてくれました。
あ、そうだったのか。
「オジサンの会社では高校野球トトカルチョも禁止されて、すっかり観なくなったんだよ」とも言えず、休憩時間に試合経過をチェック。
小学生軍団ははーどな練習にぐったり気味。
地元札幌の北海高校とのベスト4をかけた一戦ではありませんか。岩手の子も宮城の子も、大きい子も小さい子もみんな福島代表を応援してるって、東北ユースオーケストラっぽくてなんかいいぞ。
柳澤寿男さんも「どうなることかと思いましたが、なんとか一回通りそう。この年ではじめての練習で通せるなんで、たいしたもんですよ。」とリラックスしてしばし観戦。あ、「通せる」とは、一曲を最初から最後までとりあえず演奏することです。
そして、今日の仕上げに1時間強かけて通しました!まだまだ至らぬところだらけですが、最初の練習で通せたのは凄いこと。みんな、これがスタートラインです。
本日のレポート前編をここで終わり。余力があれば今日中に後編を更新しますね。