直前合宿の締めくくりはリクリエーション大会!
朝から晩まで猛練習が続いた合宿の締めくくりは、大学生団員の自主企画・自主運営のリクリエーション大会のはずが…。耐え切れず司会の横に進み出で、アシスタントディレクター役を買って出る坂本龍一監督の姿がそこにありました。偉大なるディレクターがいつの間にかAD役に。これが東北ユースオーケストラの自由です。今日も団員は朝の6時半から朝食を摂って、8時から練習開始。山下洋輔さん、坂本監督とみっちり合わせて午前中でぐったりなところ、また差し入れが届きました。
明日の第一回演奏会のプログラムで楽曲解説を書いてくださった荒川祐二さん、NexTone社長からシュークリームがドカーンと差し入れ。昨日のブログで、あんこものが続いているのを見てのクリーム系への戦略的サイドチェンジ! 大人の差し入れ合戦に学ぶことは多いですよ、団員諸君。実際カロリーを求めるみんなに大好評でした。
昨日で東北ユースオーケストラの脱皮が起き、さらに手綱を緩めず、穏やかに、冷静に演奏の修正指示をしていく指揮の柳澤寿男さんにも余裕の笑みが出るようになりました。練習開始前に団員お手製カウントダウンボードで、目の前に着座するヴィオラの大学生、服部未来子さんとパチリ。
「みんな起きて!!」の文字が全員の睡眠時間の少なさを雄弁に物語るのであります。あとは明日一番の大曲、チャイコフスキーの5番の修正改良を残すのみ。そんな折、ホワイトポードにこんな落書きがっ!
逃げるのか、「チャイ5」から?! (「チャイ5」とは何か気になる貴兄貴女は過去の記事をご参照ください。)
マエストロ柳澤さんから実に細かい指示に加え、スラブ音階の解説が入ったり、みんなスポンジのごとく吸収しては演奏に反映していきます。
そろそろ時計は夕方6時を過ぎて、
「はい、終わりましょう」とマエストロ。
つい「もう合同練習は終わりですか?」と聞けば、「はい、やりきりました」
食堂に向かう道すがらお聞きしましたところ、想像以上のレベルまで来た。
もう恥ずかしくない、自信を持ってお客さんに聴かせられる。子どもの吸収力は凄いですね〜、とのこと。
いざ本番前の最後の晩餐会場へ。
団員も達成感からか体育会系面々に負けない食欲を発揮しました。
ん?!
大学生、トロンボーンの河野翼くんとホルンの佐藤啓太くん。いくら何でもハイカロリー過ぎやしないか、二人とも肺と腕は日中激しく動かしたけどさ。
食後は明日早朝のオペラシティへの移動に向けて、楽器の搬出作業。みんなでカロリー消費運動!ティンパニを3階から降ろす。
自分の楽器は自分で出しましょう。そして、練習室ではじまったのが冒頭のリクリエーション大会。
企画運営してくれた大学生のリーダー、畠山茜さん佐藤実夢さんの司会でスタート。まずは各グループに分かれて、グループごとに自己紹介から。
そして、部屋の外で団員が奏でる楽器の音は何でしょうクイズ大会へ。正解はトランペットのマウスピースだけを吹く音とか、そんな当てっこをグループで競います。
最初は団員に混じって席で見ていた坂本監督もいつのまにか前へ。思わずわたくしマイクを取って、「坂本監督は意外と昔はテレビのバラエティ番組にも出演されていて、この手の企画にはうるさいんですよ」と言ったら、次の写真のわたくしのカメラテクの弱さをお許しください。
これ、坂本監督がシェーのポーズをした後のショットになってしまってます。21世紀生まれが過半の団員には、わからなかっただろうなぁ、赤塚不二夫ワールド。山下洋輔さんとも明日共演するのだから、ぜひシェーができる、未来を背負った若人たちになって欲しいものです。1時間弱の短い時間でしたが、みんな練習の時には見せない笑顔であふれていました。あらためて、このリクリエーションをリードしてくれた畠山茜さん佐藤実夢さん、ありがとうございました。そして、坂本監督から団員全員へのプレゼント。明日使うオリジナル楽譜カバーにご自身のサインを書いて手渡してもらいました。
さらに明日に向けて。
今日は早く寝てゆっくり休もう。明日の本番中、もし途中気分が悪くなったら遠慮せず出ていっていいからね」ついに明日ですね。東北ユースオーケストラ第一回演奏会当日になります。わたくしは利発な小学五年生に指摘された進行台本の修正をして、合宿地には車で20分走らないと無かったコンビニに、自宅から徒歩1分で行きつき、確定版であることを祈りながら20セットを出力しましたよ。
明日は東北ユースオーケストラのデビューです。お起こしいただいた眼の前のみなさんに、熱い気持ちが伝わりますように。耳の穴や脳のみならず、皮膚や内臓を震わせる演奏ができますように。