直前合宿第2日目は、坂本龍一監督、山下洋輔さん、吉永小百合さんも参加。
東北ユースオーケストラの第一回演奏会直前合宿は今日が二日目。ということは、本番まてあと二日。「時間が無い」を連発されている指揮の柳澤寿男さんは朝の8時から午前中いっぱいかけてチャイコフスキーの交響曲第5番を猛練習です。そして、午後には坂本龍一監督、吉永小百合さんがリハーサルに登場されました。子どもたちから大きな拍手、歓声、足踏みが練習所に響きます。冒頭、坂本監督から「君たちはプロじゃないんだから、間違っても下手でもいい。熱い気持ちが大事なんだ。それは聞いている人にも伝わるから。」と熱風のような檄が飛びました。熱血サカモト監督の気合い注入に呼応したかのように、子どもたちの演奏に気迫がみなぎりました。吉永小百合さんとの競演パートは、映画「母と暮せば」のサントラ3曲の演奏に、吉永さんの詩の朗読です。ここで写真を挟みたいところですが、吉永さんからの差し入れ画像でご容赦ください。
わたくしも子どもになりすまし、仕事上の毒味だからと自分を奮い立たせ、おまんじゅう一ッケ賞味させていただきましたが、美味しゅうございました。すみません。さらには吉永小百合様とお話しする僥倖も得ましたが、眼を合わせ言葉を交わしていると、自分が純化されていくような心地になりました。天然の清らかな泉のようなお方から発せられる詩篇、その言の葉をピアノの音で彩る坂本監督、その場を支える東北ユースのみんなの懸命な演奏に参りました。差し入れと言えば、坂本監督からの苺やおせんべいに加え、当日司会の渡辺真理さんが見学に来られ、特製どら焼きをどっさりお持ちいただけました。
どら焼きに「東北ユースオーケストラ」とニコちゃんマークの刻印入り!もちろんお菓子好きで知られる渡辺真理さんセレクトですから、うまい。大人の差し入れ黒帯の技を学ばせていただきました。午後の練習を終え、食事場所で、福島市の中学生、パーカッションの堤英純くんが何やら書きものをしているではありめせんか。
本番の開演前の演出でオリジナル楽曲を作曲していました。もちろん、ここは坂本監督のご指導を。
監督は、にっこりしながら「うん!」。合格なんじゃないかな、堤くん。夕飯も坂本監督を団員とテレビカメラが取り囲みます。
さらに坂本監督と写真を撮りたい団員が次々と。
震災の一年前にお母さんのご実家のある福島市に引っ越した、小学五年生のホルン奏者、赤間奏良くん。「東京時代の友達に、福島でも元気に演奏してることを伝えたい」と言ってたけど、よかったね。本番はまだこれからだけど。そして、夜の練習には山下洋輔さんにお越しいただけました。一番上の写真は、ガーシュウィンの「ラプソディインブルー」を競演するピアノの山下さん、それを聴く坂本監督でした。山下洋輔さんのソロのパートになると、団員たちが顔をニヤニヤさせて周りを見ます。アドリブ音楽、ジャズの自由さ、迫力が楽しくて仕方ないようです。山下さん得意の肘打ちも出て、さらにヒートアップ、それに感化されるように子どもたちの演奏がグングン伸びやかに、音が激変していきます。これまでの練習とは別人の域に。子どもの吸収力、成長って凄いなあ、「アクティブラーニング」ってこういうことか。じっと聴いていた坂本監督も思わず手拍子するグルーヴ。最高潮のエンディングに頭がクラクラしました。「凄い体験」をその場にいた全員が共有したという法悦でしょうか。
そんな超絶ジャズピアニストの山下洋輔さんですが、控え室ではお茶目。さすがタモリさんを発掘したお方。いろいろ素敵でした。今日は終業式を終えた福島の郡山市の小中学生も合流して、ようやく全員が揃いました。明日も朝から練習です。今朝5時に起きたと言ってた、小学五年生は今頃スヤスヤ寝てることでしょう。