演奏会直前合宿の第三日目、最終日のレポートです。
演奏会直前合宿の第三日目、最終日のレポートです。
はい、のんさんです。東京公演で詩の朗読をしていただくために今日、リハーサルに来ていただきました。
今日は合宿最終日、ということは明日が本番!
ホワイトボードはこんなことになっています。
今日は柳澤寿男さんの指揮のもと午前中から午後から夜まですべての楽曲を総仕上げ的にチェックしていきました。
午後からは本番でサポートいただく東京フィルハーモニー交響楽団の方々に練習に参加していただきました。本番のメンバー表です。
メインの2曲が難曲だけにプロのみなさんに助けていただけるのは有難いかぎりですし、何より今日も含めて一緒に演奏させていただくのは貴重な機会です。芸事に限らず、何事も学習モノはうまい人と一緒にすることが上達の道だと思います。
午後は今年から本番のプログラムになった団員オリジナル作品演奏コーナーの練習からです。昨年末の現代音楽の作曲家、藤倉大さんによる作曲のワークショップで全員が曲をつくったのですが、その中から発表を希望した6名の楽曲を作曲者が演奏する団員を指名するルールにしてコンサートで披露します。
たとえば、 福島市出身の大学3年生、佐藤実夢(さとうみむ)さん作曲作品「チェロのための音遊び」を
(↑撮影、事務局のカメラ好き宮川裕さん)
福島市の高校1年生の誉田憲丸(ほんだのりまる)さんがチェロで演奏します、
というようなスタイルです。
明日の東京公演では、一曲目が、
福島県郡山市の小学5年生市川真名さん作曲作品「青」を
同じく郡山市の高校3年生、渡邉真浩さんがヴァイオリンで演奏。
二曲めは、
福島県白河市の高校1年生、菊地彩花さん作曲作品「小さな街の夜明け」を
福島市出身の大学3年生の佐藤実夢さんがヴァイオリンで演奏。
三曲めは、
福島県二本松市出身の大学1年生、須賀文栄さん作曲作品「朝の訪れ」を
福島県会津若松市出身の大学2年生、磯貝雛子さんがホルンで演奏。
この3曲を披露します。
明日の本番にあたって坂本監督からアドバイスがありました。
「オーケストラというのは合奏です。つまりパートごとのまとまりを意識して演奏してください。隣や周りの息遣いや動きまでを感じ取りまとまりを生み出してください」(超訳ですみません)
本番同様にハープも入り、初めてのハープ2台に挟まれてうれしそうに記念写真を撮る団員もいました。
破顔のコントラバスの橋本果林さんは、大型楽器好きなんですかね。いつも笑っているから、楽器の大きさは関係無いんですかね。
それはともなく、休憩時間だって貴重な時間になります。
東フィルではセカンドヴァイオリンで首席奏者を務めていらっしゃる宮川正雪さんは、昨年の秋に弦セクションの特殊奏法の指導に来ていただきました。そのご縁もあり、今回の本番では第一ヴァイオリンのサポートメンバーに加わっていただいています。
コンサートミストレス千葉はづきさんにアドバイス。当初は17時までのご予定が夜の部の練習までお付き合いいただきました(というお姿を宮川裕さんが望遠レンズで撮っていました)。
どうもありがとうございます。東フィルのみなさま、明日、どうぞよろしくお願いします。
コンミスの千葉さんは明日の本番を控え、緊張の面持ちでしたが、もう三日間しっかり練習したから大丈夫ですよと、監督と指揮者に挟まれ笑顔で記念撮影。
千葉さんが手にしているTシャツは、TYOの前身となる2011年に立ち上がった学校の楽器修復の復興プロジェクト「こどもの音楽再生基金」のチャリティTシャツで、製作していただいた日本初のTシャツメーカー久米繊維さんが在庫品を今回の合宿のために無償提供していただいたものです。
メインの2曲では出番の無い「降り番」の中学1年生、福澄茉音くんがTシャツを並べる事務局宮川裕さん(カメラ好き)の手伝いをしてくれていました。偉い!
明日に向けた練習を午後に4時間続けたあとに、明日の東京オペラシティコンサートホールのロビーで展開する「寄付に対する返礼品」を団員に紹介しました。
まずは2万円以上のご寄付に対する返礼品。
カメラ好きが持つシルバーの物体は何かと言うと、筒の中にですね、
ランタン、ラジオ、ポンチョ、 ホイッスルなどの防災グッズが収納されている、「MINIMAID」というプロダクトでした。
坂本監督からも「いいね!」と推薦の言葉。既存商品の外観部分をTYOの美術教師、デザイナーの長嶋りかこさんによって、TYOオリジナル仕様デザインしてもらっています。他の返礼品も有難いことにすべて長嶋りかこさんによるTYOロゴデザインがなされているばかりが、今回紹介いただいたパタゴニア日本さんは長嶋さんのご紹介で、自社プロダクトの無償提供をいただきました。辻井社長、スタッフのみなさま、どうもありがとうございました。
坂本監督が手にしているミアーボトルは1万円以上の寄付の返礼品で、辻井社長から防災的視点から選んでご提供いただきました。
監督はその場で財布を出そうとされていました。というほど、いい品なのです。他にもパタゴニアさんからはポーチに、カップと、どれも防災観点から機能的な、さすが世界的に有名なアウトブランドメーカーならではの品揃えで、皆様からのご寄付を待ち構えております。
ドイツのデザイン「notabag」の2WAYバッグ。収納時は手のひらサイズなのに、トートになれば、
リュックにもなる。
反射素材が使われていて、夜間や災害時の利用に向いた返礼品となっています。他にもインド製のオーガニックバッグや毎回団員がコンサートで身につけているオリジナル大判ハンカチーフ、さらに500円の寄付からでもオリジナルステッカーをご用意しました。明日、会場にお越しのみなさん、ぜひ現金をたっぷり持参でお出かけください。わたくしも買う、いや寄付して返礼品をゲットするつもりです。
17時からの夕食タイムに指揮の柳澤さんからの指名で居残り練習のグループがいました。藤倉大さん編曲『Three TOHOKU Songs』(動画)のパーカッションをよりよくしたいとのこと。
坂本監督も手拍子でリズム感を指導。
福島市出身の大学1年生、五十嵐悠さんは鉦担当。ものの2、3分程度の特訓で見違えるほどに東北のグルーブ感が出ました。明日の演奏が楽しみです。
リハーサル室の外では、みんな夕食に行かずにアイスに夢中でした。今日の夕方、3年連続で協賛をいただいている三越伊勢丹さんからアイスクリームとグループで取り組まれている東日本復興支援どんぐりバッヂチャリティの差し入れをいただきました。
宣伝部のマネージャー、加藤未知さんと中柄夏恵さんから先日10日の仙台三越での演奏のお礼とともに激励のお言葉をいただきました。
どんぐりバッヂチャリティのテーマソングに使っていただいている「ETUDE」は今年もアンコールで演奏します。どうもありがとうございました。
夕食タイムの休憩のあとは、明日のゲスト出演者、のんさんがリハーサルにやって来られました。
なんとこのお二人、今日が初対面だったそうなんです。のんさんが現れると、団員からも「わぁー!」という声が上がりました。
東京公演での詩の朗読をお願いしようというのは、坂本監督のアイデアでした。
のんさんが読む最初の詩の表題である「村娘」と声を発せられた途端、宮沢賢治の世界がキラキラと輝き出しました。吉永小百合さんの朗読が「日本のお母さん」に包まれるような安らぎの気分になるとすると、のんさんのそれは「日本の村娘」に温かく励まされる気分になったのでした。「村娘」だと誤解を生むかもしれませんね。むしろ柳田國男が唱えた「妹の力」を感じた次第です。東京公演と仙台公演でお二人の違いを同じステージという特等席で体験できる団員は稀有な体験ができますね。
坂本監督からは一発OKが出て、のんさんは「こんなに早く帰っていいのでしょうか?」と拍子抜けされたようですが、監督の意図としては初々しい組み合わせの鮮度を明日のステージで表現したいと考えられたのでしょう。
のんさんからはご出身の兵庫県の地元のお菓子の差し入れをいただきました。どうもありがとうございました。明日の共演を団員一同楽しみにしています。
そんなのんさんとのリハのあとは柳澤寿男さんのこだわり部分を丁寧に形にしていく練習となりました。TYOならではの『海』と『火の鳥』を明日ご来場のみなさんにお聞かせいただけるはずと、事務局の人は確信しております。
あいにく天気は冷え込み、雪かもの予報も出ておりますが、明日は希望に満ちたよい音をお聞きいただく、みなさんの心に残る1日になればと願っています。