11月25日第3回練習@福島県伊達市
11月25日第3回練習@福島県伊達市
今年度の3回目となる合同練習会を福島県の伊達市で行いました。
会場は伊達市ふるさと会館。今年の2月以来となります。
いつもの仙台駅から貸切バスは、途中福島駅からの団員も乗せて会場に到着。福島駅から車で20分ほどの距離になります。
まずはパートリーダーを集めてのミーティング。畠山茜キャプテンの右隣の橋本果林さんがクラウドファンディングの取り組みについて説明しています。実は橋本さんは今日が21歳の誕生日でした。
10時からさっそく練習開始です。夏合宿以来2ヶ月ぶりに指揮の栁澤寿男さんに来ていただき、ご指導していただきました。
午前中の練習曲は「L'oiseau de feu」こと「火の鳥」(ストラヴィンスキー作曲)です。楽譜の書き込みが微笑ましいですね。
リズムをつかみにくい曲なので栁澤さんは手拍子を打っての指揮です。第一楽章の出だしになんだか重厚感がありまして、見やれば今日はコントラバスが全員参加の8名でギーコギーコやってました。重低音が効いたユースオケです。
方や手前のヴィオラが4名とさみしい状況です。今日の欠席者含めてもヴィオラは7名・・・。お知り合いで311を岩手県・宮城県・福島県で体験した小学4年生から大学生までのヴィオラ奏者がいらっしゃいましたら、ぜひ東北ユースオーケストラに勧誘していただければ有難いです。ヴァイオリンからの転向も歓迎です。どうぞよろしくお願いします!
そして、またしてもいただいた差し入れで賑やかになりました。
福島県二本松の中学一年生のフルート石川慧花さんのお母様からは「ままどおる」をはじめとする地元のお菓子、そして福島市の高校一年生のトロンボーン橋本幸歩さんの家の果樹園からりんご、それをむいてくださったのは郡山市の小学6年生のチェロの石井葵子さんのお母さま。写り込んだ栁澤さんは長野県のご出身で、「子供の時に一生分食わされました」と最初は遠慮がちだったのですが、ひと切れ食べて「これは美味しい!」とりんご英才教育の信州人から太鼓判をいただきました。ひたすら1時間近くりんごを切っていただいた石井さんからは「田中宏和さん、こないだはやたら出てましたねえ。何日間かどこのチャンネル回しても出てましたよ」と。他の団員のみなさんからも盛んに言われました。あいすみません、先月の合同練習会は前々から決まっていた田中宏和運動全国大会2017を主宰するために止むを得ず欠席してしまい、しかし来年の演奏会に向けての進捗度は気になっていたのです。
昼休みに到達レベルを栁澤さんに聞こうとしたら、これまた小中高大学生が揃ってのランチにピースサインで写り込む上機嫌、しかもニットキャップ付。おそるおそる「たいぶんちゃんとした曲になってきてませんか?」。「思っていた以上に良かったですね。みんなしっかり練習してきたのがわかります。だから本番に向けてもっとお客さんに聞かせるレベルにまで持って行きたくなりますね」とのご回答。ほっとしました。8月の夏合宿では「もう演奏曲を変えますか。『火の鳥』と『海』のどちらか辞めますか?」とまで言っていたので、その後の2回の合同練習会、2回の弦だけ特別講習会、そして各人の練習の結果が出ているようです。
こちらはランチの円にカメラを向けると恥ずかしがって顔を伏せる盛岡の小学6年生のヴァイオリン北川聖彩さんをかばう仙台の大学院1年生の同じくヴァイオリン千葉はづきさん。かと思えば。
食事のあとは算数の宿題を広げて、お姉さんたちに見てもらっているではありませんか。東北ユースオーケストラに入っていると学力も伸長しそうだな。えらい! 同じ昼休みに練習をしているチームがいました。
こちら左から宮城県の中学1年生のトロンボーン福澄茉音くん、仙台の大学4年生の佐藤ひかりさん、福島市の高校1年生の山崎優子さん、仙台の中学1年生鈴木南美さん、さらにいわき市出身の大学生冨澤悠太くんを加えた5名で来月12月2日(土)に南三陸の戸倉にある震災公営住宅集会所での自主演奏会に向けての練習をしてくれていました。えらい!立派だ!団員のみんなのしっかりとした使命感には頭が下がるばかりです。もう大人のわたくしは心置きなく阿保なことができます。ありがとう。
さて、午後はドビュッシーの「海」の練習です。とくに弦は「火の鳥」よりもさらに難しいと口々にしていたこの曲。果たして、
栁澤さんは「いざとなったら『海は広いな、大きいな』のほうを演奏しましょう」とおっしゃっていましたが、
いや、ちゃんとドビュッシーの海だとわかるくらいにできてきていますよ。
とくに第2楽章で難しいとされているグロッケンシュピールを福島市の高校1年生の塘英純くんがしっかり練習してきていて、栁澤さんからも褒められていました。
塘くん、会うたびに背が伸びてる気がするのは気のせいではないんでしょうね。いいぞ、育ち盛り!
そんな練習の最中、盛岡の小学6年生でヴァイオリンの吉田さくらさんのお祖父様に「ちょっとこの辺りをご案内したい」とお申し出いてだき、会館の外に出ました。
ご両親は東京生まれでお父様は航空機関連の技師をされていたという吉田さん、終戦の1945年の2月にこちら伊達に疎開で引っ越された2ヶ月後にお生まれになったそうなのですが、もし3月10日の東京大空襲に親があっていたら今ここにはいなかっただろうと感慨深げに語りはじめられました。右手に阿武隈川、左手の山の麓が伊達家の始祖の地だったそうで、それにちなんで福島県伊達市とのこと。伊達家は豊臣秀吉の時代に山形県米沢に移封され、その後徳川の時代になって家康に仙台への鞍替えを命じられ、高名な伊達藩を築いたそうです。その転居にともない近くの福島県の青葉山や広瀬川という名前も仙台に引っ越しさせたそうなんです。吉田さん、わたくしがものの名前に関心が高いと見ての話題だったんでしょうか。ともあれ福島県伊達市の歴史をお聞きできました。ありがとうございました。
戻ってみると「海」の降り番チームは別室でひたすら吹いてました。
右から来月の南三陸での自主演奏会を企画してくれた冨澤くん、バストロンボーンの大学1年生新川和弘くん、そして盛岡の中2トランペットの藤田サーレムくん。
結局、16時30分までみっちり練習をして、みんなで大片付け大会。
皆様からいただいた資金でパーカッション類一式を揃えてから、みんなが打楽器の運搬に協力するようになったような気がするのは気のせいかな。
そして、福島駅経由、仙台駅行きのバスに乗り込んだ団員たち。
就職先が決まった福島の大学4年生のヴィオラ服部未来子さんは両手でピースの余裕ですね。しかし、ヴィオラの人、大絶賛募集です! もう片側の団員たち。
すみません、福澄くんのピースはいいのですが、前列の乙女二人の陰影がかなり濃くなってしまいました。再撮。
この一列目のともに第3期から参加の左は岩手県北上出身で現在は東京の音大に通うクラリネットの木戸口夏海さん、そして右隣の仙台の大学1年生、ヴァイオリンの日比野愛さん。二人とも溶け込んでくれているようでよかったです。
また来月12月の合同練習会で会いましょう。次回は何かと盛り沢山ですから、団員のみんな、欠席すると後悔すると思うよ〜。
このページをたまたまご覧いただいたみなさまにおかれましては、引き続き東北ユースオーケストラへのご支援をよろしくお願いいたします。
東北ユースオーケストラ事務局 田中宏和